株式会社テクノプロ・コンストラクションが、2017年5月19日~5月23日の5日間、採用業務に携わっている20歳~69歳のビジネスパーソン(アルバイト・パートを除く有職者)を対象に、「新卒採用に関する調査」をインターネットリサーチにより実施し、2,000名の有効サンプルを集計しました。
なかなか聞くことのできない採用側の意識や思いなどを前編と後編の2回に分けてご紹介します。
前編の今回は、”2018年新卒の採用市場に関する調査結果”や”採用側からのアドバイス” についてです。
[調査結果]
【2018年新卒の採用市場の見通し】
◆超売り手市場に?「2018年卒・新卒採用は売り手市場」採用担当者の7割強が予想、昨年より13.9ポイント上昇
経団連の採用活動(新卒採用)の指針では、面接などの選考活動が6月に解禁されましたが、採用業務に携わっているビジネスパーソンは、2018年卒の新卒採用について、どのように感じているのでしょうか。
全回答者(2,000名)に、2018年卒・新卒採用は売り手市場(学生側が有利)になりそうか聞いたところ、「非常にそう思う」が28.8%、「ややそう思う」が43.9%となり、合計した『そう思う(計)』は72.7%となり、売り手市場を予想する採用担当者が多数となりました。
売り手市場になることを予想した採用業務従事者の割合を昨年の調査と比較すると、昨年58.8%(「非常にそう思う」16.5%、「ややそう思う」42.3%)→今年72.7%となっており、大幅に上昇していることがわかりました。
今年は、昨年以上に売り手市場になるのではないでしょうか。
◆2018年卒の就活生にとって“狙い目は”?
・人手不足を実感している業種 1位「福祉」2位「人材サービス」3位「運輸・輸送」4位「情報通信」5位「建設」
・将来性のある業種は? 業界の「伸びしろ」を実感している業種 1位「情報通信」2位「人材サービス」3位「福祉」
次に、全回答者(2,000名)に、自社/自団体は現状人手不足だと思うか聞いたところ、『そう思う(計)』(「非常にそう思う」と「ややそう思う」の合計、以下同様)が最も高くなったのは、「福祉」で93.0%となり、「人材サービス」が87.5%、「運輸・輸送」が82.1%、「情報通信」が80.4%、「建設」が76.1%で続きました。
人手不足状況だけが判断基準ではないと思いますが、これらの業種は2018年卒の就活生にとって狙い目の1つといえるのではないでしょうか。
また、全回答者(2,000名)に、自社/自団体の業界には「伸びしろ」があると思うか聞いたところ、『そう思う(計)』は、「情報通信」が最も高く77.0%、次いで「人材サービス」が62.5%、「福祉」が59.7%、「金融・保険」が54.8%、「運輸・輸送」が54.7%で続きました。
今後も成長していく業界で経験を積みたいと考える就活生や将来性の高い企業に就職したいと考える就活生は要注目です。
◆女子就活生にオススメ!
女性活躍推進に積極的な業種 1位「福祉」2位「医療」3位「宿泊・飲食」4位「人材サービス」5位「金融・保険」
現在、“女性の活躍推進”や“働き方改革”が政府によって進められています。
そこで全回答者(2,000名)に、自社/自団体の業界では女性の活躍推進に積極的だと思うか聞いたところ、『そう思う(計)』は、「福祉」が最も高く89.5%、次いで「医療」が82.2%、「宿泊・飲食」が79.5%、「人材サービス」が78.1%、「金融・保険」が73.8%で続きました。
入社後のことまで考えると、これらの業界は女子就活生にとってオススメの業界なのではないでしょうか。
◆働き方に関する制度 「柔軟な労働時間制度」「年次有給休暇の計画的付与制度」は3社に1社以上が導入
人材サービス業界では「記念日に有休取得を推奨」や「テレワーク制度」の導入が進んでいる傾向
全回答者(2,000名)に、働き方・休み方に関する制度として、自社/自団体が導入しているものを聞いたところ、「柔軟な労働時間制度」が最も多く35.1%、「年次有給休暇の計画的付与制度」が34.7%と僅差で続きました。
ここで人材サービス業界について見てみると、「年次有給休暇の計画的付与制度」は46.9%と全体に比べて高く、「記念日などに有給休暇取得を推奨する制度」(25.0%)や「テレワーク制度」(25.0%)でも全体より高くなりました。
◆採用担当者からのアドバイス!
ミスマッチを防ぐための就職先選びで重視すべきポイント 1位「職種」2位「将来性」3位「業種」
続いて、入社後のミスマッチを防ぐための就職先選びに関する質問も行いました。
まず、全回答者(2,000名)に、ミスマッチのない就職をするために、就職先を選ぶ際に重視すべきと思うポイントを聞いたところ、「職種(担当する仕事内容)」が最も多く39.4%、次いで「将来性(事業計画・ビジネスモデルや商品力・技術力など)」が34.3%、「業種」が32.3%、「社風・企業文化(会社の雰囲気など)」が31.3%で続きました。
どの業界で働くかということよりも、どのような仕事ができるのかということを重視すべきだと考える採用担当者が多いようです。
◆就職先選びで重視すべき職場情報 1位「平均勤続年数」2位「過去3年の新卒採用数・離職者数」
また、全回答者(2,000名)に就職先を選ぶ際に重視すべき職場情報を聞いたところ、「平均勤続年数」が最も多く40.9%、次いで「過去3年間の新卒採用者数・離職者数」が36.0%、「前年度の月平均所定外労働時間の実績」が34.3%、「研修の有無及び内容」が34.1%、「前年度の有給休暇の平均取得日数」が33.0%で続きました。
「採用担当者からのアドバイス」は、入社後に”自分のやりたかったこととなんか違った・・・” ”想像していた会社と違っていた”といった後悔をしないためにも、頭の片隅に留めておくとよいかもしれませんね。
後編では、「新卒採用の選考基準」や「理想の新人像」などをご紹介します。
記事:編集部