医療・介護・福祉 32職種(中途採用)の昨年1年間の採用難易度が株式会社グッピーズより公表されました。医療事務を採用するのに比べて何倍難しいかを数値化し、職種毎の比較を見える化したランキング。10位までは表の通りです。
また、分析は以下の通り。
医療・介護・福祉の人材は、高齢化の進展や福祉の拡充のため就業者が増え続けています。
しかし、職種毎に需給バランスは異なり、比較的採用しやすい職種もあれば、非常に採用が難しい職種もあります。
一部の職種は景気にも影響され、有効求人倍率が上がると医療事務、看護助手、歯科助手、ヘルパー・介護職などの職種は採用が難しくなる傾向があります。
採用難易度が高いのは、1位 医師、2位 薬剤師、3位 ヘルパー・介護職。昨年と順位は同じです。
医師は医学部増員の効果はすぐに期待できず、しかも国民1人あたりの受診回数は先進国でトップクラスであることから、医師不足を解決するにはまだ時間がかかりそうです。
薬剤師は毎年約1万人の国家試験合格者がいるにもかかわらず、患者数が増加し調剤枚数が増加していることから人材不足の状態が続いています。
ヘルパー・介護職は、景気に左右されやすい職種で、需要は高齢化で増える一方、人材の流動性が高く、景気回復期には他業界に人材が流出することから、採用が年々難しくなっています。
全体の傾向では、介護職(ヘルパー、介護福祉士、ケアマネジャー)、リハ職(作業療法士、理学療法士)、保健師で採用難易度が高まっています。
看護師は、引き続き採用が難しい状態が続いています。
保育士は、潜在保育士が多く、待遇の改善の効果もあり、採用難易度も中位で推移しています。
歯科(歯科医師、歯科衛生士、歯科技工士、歯科助手)は、若干難易度が高まっています。
歯科医療事務は、ヘルパー・介護職同様に景気に左右されやすい職種ですので、以前ほど簡単に採用することは難しくなっています。
管理栄養士は、大学が増加したにもかかわらず、病院の採用数が少なく、また受け入れの多い給食委託会社は仕事がハードなため離職率が高いなど、管理栄養士として希望の就職先を見つけることが難しい状態となっています。
■調査職種
医師、薬剤師、看護師、保健師、診療放射線技師、臨床検査技師、臨床工学技士、視能訓練士、管理栄養士、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、歯科医師、歯科衛生士、歯科技工士、歯科助手、ホームヘルパー、介護福祉士、ケアマネジャー、社会福祉士、精神保健福祉士、福祉用具専門相談員、保育士、臨床心理士、社会福祉主事、柔道整復師、鍼灸師、マッサージ師、医療事務、診療情報管理士、看護助手、登録販売者
■データ集計期間:2016年1月1日から2016年12月31日
担い手自体が少ない、資格取得が難易、景気変動に左右されるなど、これらの職種の採用難易度の背景は様々です。
また就業してからもハードな境遇に直面することが想像できる職分野のひとつでもあります。
高齢化や共働きが加速しているこの時代、今後も採用ニーズはさらに高まる傾向だと言えるでしょう。
少子化となる今後、新卒・中途 ともに就業希望者が採用という夢を叶えていただくのが第一、就業後はこの道のエキスパートとして長く活躍していただきたい、そう感じさせるレポート結果となりました。
また、「これから進路を考える」「この分野に憧れている」といった方々へは『調査職種』の中に、まだ認知度が低い職種も名を連ねていたりするので、進路検討の参考情報となれば幸いです。
記事:編集部