日本人の休日数の満足度は3割超も、
未消化の有給休暇、まとまった休暇への不満が多い
ランスタッド株式会社の「働く」と「働く人」の環境にフォーカスした研究機関であるランスタッド・リサーチインスティテュート(RRI)は、日本国内の労働者意識調査「ランスタッド・ワークインサイト」の第1回目の調査を実施しました。
本調査は、日本国内で就労する20歳~69歳の労働者1,800名を対象に、「勤務先の景況感」に関する定点的な設問に加え、時流や季節に沿ったトピックについて意識調査をしたものです。
今回は、夏休みシーズンを控えていることから「休暇」に関する調査を実施、「未消化の有給休暇」、「まとまった休暇の取りづらさ」が明らかとなる結果でした。
それでは詳しく見ていきましょう。
■「休暇」に関する調査結果
休日数に対する満足度は全体で35.8%。性年代別では20代女性、業種では学術研究・専門技術業や運輸・郵便業、医療福祉業で満足度が低い傾向
年間休日数に対する満足度は、対象者全体で「満足計(満足/やや満足)」と「不満計(不満/やや不満)」の割合はほぼ同数で、満足計が不満計を3.8ポイント上回る程度でした。
一方、属性別に見てみると、性年代別では特に20代の女性、業種では「学術研究、専門・技術サービス」、「運輸・郵便業」、「医療・福祉業」でそれぞれ「不満計」が「満足計」を10ポイント以上上回る結果でした。
休日数の満足度が低い層では、8割以上が「未消化の有給休暇が多い」、「まとまった休暇が取りにくい」を選択。
逆に満足度の高い層は「まとまった休暇が取りにくい」が35.1%と低い結果に。
回答者の現在の状況を年間休日数の満足度別に見ると、満足度が低い層では、「未消化の有給休暇が多い」、「まとまった休暇が取りにくい」で「あてはまる/ややあてはまる」を選択した割合が8割を超える結果でした。
また、「フレックスタイム制や在宅勤務など勤務時間・勤務形態の自由度がない」、「残業頻度が多い」など、一見すると休日数に直接関係のない項目も64.9%と高いことが特徴的でした。
その一方で、休日数の満足度が高い層でも、45.8%が「未消化の有給休暇が多い」と感じており、有給休暇の消化が満足度に直接的には繋がらないことが推測されます。
その反面、「まとまった休暇が取りにくい」の割合は「未消化の有給休暇が多い」より10ポイント以上少なく、満足度が低い層の半分以下であることから、満足度の高い層ではまとまった休暇がある程度取得できている傾向であることが分かりました。
休日に最も重視することは「体を休めること」。
休日数が増えたとしても最重視項目は変わらない結果に。
休日の多さより、まとめて休暇を取れる環境づくりが必要か。
休日の過ごし方についての問いでは、男女問わず「体を休める」ことが最も重視されており、休日数が今より増えたとしてもそのことに変わりがないという結果でした。
休日数の不満が多かった層では、女性の20代で「ストレス発散」や「気持ちを癒す」が、学術研究、専門・技術サービスでは「ストレス発散」、運輸・郵便業、医療・福祉では「家族との時間」も重視することの上位に上がりました。
年間休日数の絶対数だけでなく、休暇がまとめて取れることが重要
今回の調査では、年間休日数の満足度が高い層と低い層で、「まとまった休暇が取りにくい」と感じる割合に大きな差が出る結果でした。
また、「休日数が今より1割増えた場合に休日の活動の重視度がどう変化するか」については、1割程度増加しただけでは休日に「体を休める」ことを最優先したいという気持ちに変化が起きないことが分かりました。
日本は祝祭日が年間15日程度であり、欧米諸国と比べ多く設けられています。
以上のことから、休日の満足度は休日数そのものでなく、休暇をまとめて取得出来るかどうか、が重要であると推測されます。
■ 調査概要
調査対象:20歳から69歳までの一般企業に勤務する方(正社員・契約社員)および公務員・団体職員
調査エリア:日本全国
サンプル数:1,800名
調査期間:2017年5月31日(水)~6月1日(木)
調査方法:インターネットによるWebアンケート形式
記事:編集部