〜第2四半期の雇用意欲は、2017年第1四半期に続き堅調を維持〜
2017年第2四半期(4-6月期)も折り返し地点が近づいてきました。少し前に発表された調査結果ではありますが、まさに今が該当期となりますので、ご紹介していきます。
総合人材サービスのマンパワーグループ株式会社(以下、マンパワーグループ)が、2017年第2四半期(4-6月期)における企業の雇用計画を尋ねた「雇用予測調査」を行いました。
調査結果は「2017年4-6月において、貴社または貴機関の雇用計画(契約社員、派遣社員等を含む)は、2017年1-3月期と比べてどのような変化がありますか?」という質問に基づいたものです。
今回の調査では、東京・大阪・名古屋の企業1,106社から回答を得た結果、季節調整後の純雇用予測は23%、前四半期比では変化がなく、前年同期比1ポイント増と、企業の雇用活動は安定して推移しています。
また、この調査は、地域別(東京、大阪、名古屋)で調査を行うと共に、業種別(7業種*)での調査も行っています。
地域別の純雇用予測は、名古屋が+28%と前四半期比、前年同期比とも増加し最も高い数値を記録しています。
*純雇用予測: 調査結果のうち「増員する」と回答した企業数の割合(%)から「減員する」と回答した企業数の割合(%)を引いた値。
*季節調整値: 月々の変動の癖(季節的要因)を除去したことを推計した値で、調査開始から3年以上経っている国で適用しています。日本では2006年第3四半期から適用しており、全て季節調整値をもとにした分析値を指標にしています。
*7業種:「金融・保険・不動産」「製造」「鉱工業・建設」「公共・教育」「サービス」「運輸・公益」「卸・小売」
調査結果 2017年第2四半期(2017年4-6月期)
純雇用予測は23%と、前四半期比では変化なく、前年同期比は1ポイント増
2017年第2四半期の純雇用予測(季節調整後)は、前四半期比±0の23%。
全体の内訳は、1,106社からの回答のうち従業員を「増員する」と回答した企業が33%、「減員する」との回答は、3%、「変化なし」が37%でした。
全体的な雇用意欲は引き続き高止まり傾向であることがわかります。
(注:2008年第3四半期より「TRAMO-SEATS」法を採用しており、遡及改定を行っているため、過去のデータが変動しておりますので、ご了承下さい)
地域別では東京・大阪・名古屋、3地域ともに増員を予定
地域別の純雇用予測(季節調整後)は、3地域全てにおいてプラスの値となりました。
東京の純雇用予測は+23%、大阪は+19%、名古屋は+28%です。
業種別では7業種全てにおいて来四半期に向け増員傾向
業種別の純雇用予測(季節調整後)は、7業種全てにおいてプラスの値となっています。
純雇用予測は、「運輸・公益」が+31%と雇用意欲が最も高い結果でした。
「鉱工業・建設」は前四半期比から2ポイント減の+30%、「卸・小売」は前四半期比、前年同期比増の+27%と雇用の伸びが予測されます。
前四半期比6ポイント減の「サービス」と前四半期比・前年同期比1ポイント増の「金融・保険・不動産」はともに+22%、「製造」は前四半期比、前年同期比減の+20%でした。雇用意欲が最も控えめな値は、前期に引き続き「公共・教育」で+10%となっています。
<マンパワーグループ 取締役代表執行役社長 池田 匡弥氏からのコメント>
本調査の結果、2017年4-6月期では、調査対象国43ヵ国・地域のうち39ヵ国・地域において、程度の差はあるものの、雇用の増加が見込まれることが明らかになりました。日本企業の雇用意欲も引き続き堅調を維持しており、+23%という結果は、43ヵ国中、台湾(+24%)に次いで高い数値となりました。
組織別規模別では、従業員数49人以下の小規模組織の雇用意欲が+33%で、前四半期比で9ポイント改善と急上昇している結果から、小規模組織の人手不足がより顕著になっている事がわかります。
尚、本調査はマンパワーグループが四半期ごとに世界43ヵ国・地域で行っている世界で最も広範囲にわたる事前調査です。
ここ数年は、人財不足と呼ばれている時代。雇用側の雇用意欲は高まっているものの、業種や規模により人財難なところも目立っています。
求職側も活動をする際に自身の希望業種や職種で探す方が多いことと思いますが、こういった雇用側の動きも参考にすれば、全く知らなかった業種へ目を向け足を運んでみる、深く調べてみる等のきっかけにもなるのではないでしょうか。
記事:編集部