移住女子の「ちちぶのココ行って来た!」:『御田植祭』編

〜今年も豊作であってほしいと祈念する「予祝神事」〜

埼玉県無形民族文化財に指定されている 秩父神社の『御田植(おたうえ)祭』は、古くは旧暦の2月3日に行われていたそうですが、現在は4月4日に行われています。

この神事は境内(平成殿前)を神田に見立てて、苗代作りから種蒔き、田植え、収穫までの水田耕作の所作を模擬的に「田植唄」を歌いながら行われるもの。

今年初めてこちらの神事に伺うことができました。
当日いただいた資料を参考にこの日の一連の流れを、当日の気付きを含めてご紹介します。

“すぐに、田植えの所作が行われるわけではない”

足を運んだ午後1時。
まずは社殿にて「御本殿の儀」が執り行われます。
御田植祭保存会会員約45名の方々が神部(かんべ)となり、白丁(はくちょう)を着装して奉仕します。

“徒歩10分ほど西方の今宮神社でも神事を行う”

「御本殿の儀」の後、今宮神社へと「水分(みくまり)神事」と呼ばれる「水乞い」に向かいます。
今宮神社で水神様を憑依した水麻(みずぬさ)をいただき、それを持ち帰り、秩父神社鳥居下に作られた藁縄の大蛇の鎌首下に水麻を差立てます。それにより、神田に水が満たされたことを意味します。

“いよいよ御田植神事へ…とその前に社殿でさらに神事”

戻った神部の方々は、社殿にて白飯・煮豆の供応を受け、「坪割神事」に立ち会った後、神田に向かい、いよいよ御田植神事が執り行われます。

“夜祭りまで続きがある神事”

この神事は、12月3日に執り行われる秩父神社例大祭「秩父夜祭」へ続きます。
『御田植え』祭りで鳥居下に立てられた藁縄の大蛇が、夜祭の御神幸行列の先頭を進むのだそうです。豊作をもたらしてくれた清らかな「お水」を武甲山の山の神にお返しに行くという新穀感謝のお祭(新嘗祭)となります。
「田植えの所作をする行事」と聞いてきましたが、いえいえ、そこに至るまでには、ご祈祷・水乞い、田に水を引く、そして田植え と一連の流れがあり、そしてそれぞれに意味を持つ。さらには8ヶ月後の夜祭りへと繋がっていたなんて…年間を通しての神事、そして大切に引き継いでいかなければいけない神事でした。

参考に。
下記の動画(前半部分)が御田植神事の様子です。<秩父発信のWebメデイア:『秩父新報』より>

鍬を振り下ろしたり、馬で田を耕したり、苗を持ち田植えをする模擬的所作が伺えます。

この神事は、埼玉県内では山間地の秩父地方だけに伝承されているとのことです。
古き良き伝統文化を大切に引き継ぐちちぶ地域。
この地のひとつひとつの行事・神事の意味をしっかり理解していきたい、と思う移住女子でした。

記事:編集部

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