〜山里のお祭りなのに、子どもがたくさん!! Uターン組で子どもが増えた『カイドウ祭り』〜
秩父市上吉田という地域に、花海棠(はなかいどう)という植物を3Kmに渡って植えている街道があります。その名も“カイドウ街道”
この街道に地元の方々が花海棠を植樹したのは、今から25年前。
花を植えることで町や街道の景観を良くするという外国の先進事例に学び、その活動を見学に行き、実際に取り入れたのが植樹の始まり…そして現在に至る、のだそうです。
そのおかげで、現在のちちぶの街並みは本当に四季折々の花々がたくさん咲いてステキな景観。この景観を作り出しているのは、四半世紀も前から取り組みを続けてきた賜物なのだなぁ、と感慨深い。
毎年4月下旬の日曜日、秩父市上吉田小川地区の住民が開催しているのが『カイドウ祭り』。
今年は4月23日(日)に開催され、早速お邪魔してみました。
お祭りの会場となったのは、この小川地区の住民が会合などの活動拠点として使う「小川公会堂」
かつては、お祭りといってもここの地区住民同士がその年に咲いた花海棠を愛でながら、この公会堂で軽食やお酒などを持ち寄って、太鼓演奏などをし、コミュニケーションを図り宴会をしたものだったのかなぁ、と想いを馳せます。
が、23回目を数える今では、この『カイドウ祭り』はその景観の素晴らしさから、近隣地区のみならず他県からも来訪者が来るほどの盛況ぶり。
フォークソングバンドが出演してのライブ演奏やこの地区住民からなる団体“源流会”による太鼓:秩父屋台囃子の披露、また来訪者を巻き込んでのビンゴ大会など、いろいろ趣向を凝らした演出で皆さん大盛り上がり。
花海棠とともにそんな催しも楽しんでほしいと「これも持っていけー、あれも食っていけー」と甘酒や玉こんにゃくの煮付け、ポップコーンなどが配られ、この地区の住民の方々によるたくさんのおもてなしが、とても「温かい」。
そして一番驚いたのは、元気に太鼓を演奏する子どもたちがたくさんいたこと!
5年前、初めてこのお祭りに伺ったときは、こんなに子どもの姿は見えなかったはずなのに。
子どもが増えましたね?と聞くと、
「ここにいるだけで10人くらいはいるよ。今まで実家を出ていたヤツも子どもが生まれると “地元で育てたい” と帰ってきているんだよね」と地元の方。
そう。ここでは、Uターン現象が起きている!のです。
ここの子どもたちは小さい頃から地域住民の大人と接して、太鼓を習って、こういった地元のお祭りで屋台囃子を披露できるまでに成長したといいます。
自分の家の中だけで過ごす都会暮らしとは異なり、豊富な自然、隣近所の大人、地域外からの来訪者など、幼少期から触れるものはさまざま。
特にこの小川地区は、地域で子どもを育て、また子育て世代が住みやすい地域づくりが自然とできていた、という点がUターン現象を引き起こしたポイントになっていたのだと考えます。
山里深き土地でとても温かい光景に出会い、『ちちぶに住んで働こう!』の一事例を垣間見ることができた 編集部、移住女子の春の1日でした。
最後に。3Kmのカイドウ街道を駆け抜けた様子の動画を<秩父発信のWebメデイア:『秩父新報』より>
ほんわかしますよ…桃色スカイライン ^^
記事:編集部