移住女子の「ちちぶのココ行って来た!」:『龍勢祭』編

〜 白煙を上げ秋空高く飛ぶ姿はまさに龍!日本一の龍勢祭 〜

毎年10月の第二日曜日は、秩父市吉田 椋神社の秋の例大祭であり、またその祭礼に奉納する『龍勢』を打ち上げる「龍勢祭」が付け祭りとして行われます。
今年は10月8日(日)、朝から晴天に恵まれての開催となりました。

『龍勢』とは・・・“手作り農民ロケット”とか“巨大ロケット花火”と呼ばれ例えられますが、松の木の芯をくりぬき60センチほどの火薬筒を仕立て、その中に火薬を詰め込み、矢柄と呼ばれる竹に火薬筒と背負い物(落下傘や唐傘等)を括り付けて仕上げたもので、全長は約18メートル。見た目は本当に巨大なロケット花火と言ってよいかと思います。
これを祭当日、櫓に据えて点火し、秋空高く打ち上げるのが龍勢祭です。
全ての製造工程が手作りであり、また古くよりこの技法で製造し今日まで伝承されてきたことは、まさに手作り農民ロケットと言われる所以だと思います。

詳細はこちら『吉田龍勢保存会HP

昔は普通の農家の庭で火薬詰めをしたりしたこともあったそうですが、現在は火薬を取り扱う祭として、製造や取り扱いには厳しく制限があり、許可を得た製造団体しか触れることができないものとなっています。
そのため、このお祭りは10月の第二日曜日にしか関係各所の許認可がおりないそうで、荒天でない限りは雨であっても龍勢は打ち上げられます。逆に荒天等で開催ができない場合は、その年の龍勢祭は中止、順延等の措置はありません。
だからこそ、毎年龍勢祭が近づくと、当日のお天気がソワソワと気になりだし、10月に入ると天気予報のチェックは1日に何回も確認してしまう程です。

このように火薬を詰めた筒を打ち上げるお祭りは日本で数箇所あり、「龍勢」や「流星」と書き同じく「りゅうせい」と呼ばれていますが、その中でも詰め込む火薬量の多さや打ち上げ本数、打ち上げの高さ等から、ここ秩父吉田の龍勢祭が日本一と言われているようです。

龍勢祭当日は、朝から大勢の観覧される方が秩父吉田に訪れ、大変な賑わいを見せます。朝8時半頃より夕方5時過ぎまで、合計30本の龍勢が次々に打ち上げられ、1日観覧しながら桟敷席等にてお酒を酌み交わしたり腕によりをかけた手料理等を食べたりし、打ち上がる龍勢に一喜一憂する、というのが龍勢祭の観覧の仕方です。

龍勢を製造する方々は龍勢師と呼ばれ、その団体は現在27流派ありますが、この龍勢師の方々が龍勢を製造してくれるからこのお祭りは成立しています。
また、龍勢保存会という団体のおかげで、祭りが運営され、安全無事にお祭りが進んでいきます。
他にも携わっていただいているすべての方々のおかげで毎年この日を楽しむことができていることに、あらためて感謝し、来年も楽しみに待っていたいと思います。

ちょっと珍しいお祭り。ご興味ある方は来年、足を運んでみてはいかがでしょうか。

記事:編集部 移住女子

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2 件のコメント

  • 農民ロケット なんて言われ出して久しいですが 地元民的には 「龍勢」 でしかあり得ないですね
    農家ばかりだった時代にロケットって言葉はなかったと思うし (笑)
    龍勢師という言葉は初見ですが祭の龍勢の為に火薬の取扱の資格を取得しますし
    頃が来れば 職場や家族の理解も得て 一所懸命 真摯に真剣に向き合ってると思います
    仕事だと 派遣社員とか 明日から違う人でも ってシステムになりつつある時代ですが
    お祭とかは 伝承も大事 先達を敬う 後輩を可愛がる コミュニティの原点の様に感ずる事もあります
    過疎・高齢化著しい地域には これからの時代だからこそ 活きるのかも ・・・・・・ とか 思っちゃいます

    ちむどんどん の ビーンクイクイ みたいな祭 秩父では ジャランポン祭?
    長旗 も 遡るとアチコチあったそうですが 倉尾神社も貴重ですね

    • はら様
      コメントありがとうございます。
      仰る通り、IOT化やAIの発達で、就業内容や就業スタイルの変化は著しい昨今ですが、古くから変わりなく根付いている祭礼や行事は、地域ならではの人と人との繋がりがなければ成立しないものかと思います。
      それゆえに、めまぐるしく変化するこの時代の中において、このようなお祭りが継承されるには、地域的に大変な問題もあわせもって存在することと思われます。
      お祭りが遂行されることに感謝し、今年の龍勢を楽しみにしています。

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